
2023年度作品 『漣』



題材
『九頭竜川の伝説』
テーマ
≪共に挑戦し続ける≫
越前福井にそびえる代表的な川である、「九頭竜川」。私たちは、その川を題材としました。ここで描かれるのは、私たちのオリジナルストーリーです。
ここ数年で、新型コロナウイルスにより人と人との繋がりが途絶えてしまいました。よっしゃこいの仲間すらも、会うことを規制され、活動することが困難になって途方にくれる時期もありました。そこで、コロナ渦が明け始めている今、よっしゃこいの仲間や先輩方や地域との繋がりを、もう一度取り戻し、新たな挑戦をし続けたい。挑戦することによって、人と人との繋がりをより強固なものにものにしたい、という想いがあります。この想いを九頭竜川の伝説になぞらえて演舞で表現します。
これからも挑戦し続け、新たな波を起こし続けていくよっしゃこいをご覧ください。






―光届かぬ 里 ―
古 見舞う 運命に
鎮めるは 命を
これから始まるのは、古より伝わる九頭竜川の伝説である。越前福井に九頭竜川を水源とする、ある村があった。そこでは毎年、九頭竜川の竜神である九頭竜へのお供え物として、生贄の娘を捧げなければならなかった。
そして今年も、不穏な空気が村を漂う――

― 呑 みこまれる
一輪の 花 ―
脆く 届かない この想い
村のため、今年も生贄の娘が選ばれた。運命とはわかっていながらも、受け入れがたい哀しげな表情を浮かべる。
本当にこれでいいのか、いつまでこの習わしが続くのか、そんな矛盾と心の不安が村を包み込む。しかし、竜神の恐ろしさに敵う者などいない。村の幸を願いながら、儚く散りゆく運命を生贄の娘は受け入れるしかなかった。
そして、ついに竜神がその姿を現す――

―民よ畏れよ
竜神の再来―
願う その手は 終夜に
今宵 永遠の契りよ
荘厳かつ神気な趣を放つ竜神。
瞬く間に暗雲が立ち込め、禍々しく、重々しい空気が村一体に広がった。
人々は恐れ、生贄を捧げるしか術はなかった。






―打ち倒さんと
する者の訪れ―
霞に揺らぐ
さすらいの鼓動
悲嘆に暮れ、不穏な静けさの中、かすかに響き渡る足音――
長きにわたる年月の果てに、ついに竜神を"打ち倒さんとする者"が現れた。村人たちはその一筋の光を信じ、共に立ち上がった。
未来のために、突き進む――


